リミナルスペース
- 分類
- 境界と越境
- モチーフ
- 境界
定義:本来は人がいるはずの場所から人が消えた状態を捉えた画像・空間を指す、ネット上の呼称。人類学の「リミナリティ」に由来する。
もとの意味
語源はラテン語 limen(敷居)。ファン・ヘネップが通過儀礼の中間段階に用い、ターナーが「リミナリティ」として理論化した。どちらにも属さない中間状態を指し、神聖さと危険の両方を帯びるとされる。
2010年代後半以降、この語がネット上で転用された。誰もいない地下通路、深夜の無人施設、閉店後のショッピングモール——本来は人で満たされているべき空間が空になった画像が「リミナルスペース」と呼ばれ、不気味さとともに消費されている。
学術用語の「中間状態」から、画像ジャンルの名へ意味が移った例である。
怪談での使われ方
日本の民俗における逢魔が時・境界の畏れと、機能上は同じものを指していると読める。ゲーム『8番出口』が無限に続く地下通路を舞台に選んだのも、学校の怪談が決まって「放課後」——授業という秩序が退いた後の時間——に現れるのも、この畏れの現代形である。
海外のバックルームは、この感覚が一枚の画像から怪異を生んだ事例にあたる。
用例
類話
- 境界
- 8番出口
- バックルーム
出典
島村恭則. 「【夢ナビ 民俗学講義】リミナルスペースはなぜ怖いのか:ロアと世界観の民俗学」. YouTube. 2026-04-21. https://www.youtube.com/watch?v=6h5xCBjehTI, (参照 2026-07-22).
廣田龍平. 『ネット怪談の民俗学』. 早川書房, 2024, (ハヤカワ新書). 第6章.
最終更新:2026-08-21 / 訂正履歴